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こころ旅 火野正平

2021/ 08/ 31
                 

朝、眠い目をこすりこすり、
何気なくTVをオン。
どこの局か知らずのまま、
誰かの読む視聴者からの手紙を、
目は閉じていながら、
よくとおる声が耳につくので、
身体が目覚めるまで横になって
耳に任せて聞いていると、、。




幼い頃、よく行った高台ー。
晴れた日には遠く街並みが見えて、
そのまた向こうには
キラキラまぶしい海があった。


学校が終わると
必ず誰かがその高台にいた。
小さい遊園地もあるので、
砂場で遊んだ記憶がある。


幼い頃から
歳は何歳も違いながらも、
誰にでもタメ言葉で話したものだ。
また、
そこの地域ではみんな家族同様に育っていた。


その中には5歳年上のお兄ちゃんがいて、
名前をマサト、
私たちはマーちゃんと
呼んでいたー。
大人はマサトと呼び捨てにしていた。


穏やかな性格でいつも遠くから
私たちを見守ってくれていた気がする。
同じ学校で会うことは少なかったが、
道で偶然会う時も、
にっこり微笑んでいた。


ある日、
中学校が早く終わった夏の日、
私はその高台に行く。


すると偶然、
マーちゃんがいた。
私はもう思春期でマーちゃんなんて
面と向かっては呼べなかったのだが、
マー兄ちゃんは、
遠く海を見ている様子だった。


私は邪魔しないように離れていた。
何を考えているのだろう、、。


高台に立つ、
18歳の男性の後ろ姿を見て、
大人を感じた瞬間だった。


マー兄ちゃんは、
噂によれば、
大学進学でその地を離れ
東京に行くとのことー。


東京に行く前に
故郷の街と海を眺めていたのだろうか。


マー兄ちゃんが高台から帰る時、
離れていた私を見つけて
また、にっこり微笑んで
おぅ、と言って去って行ったー。


それっきり、

マー兄ちゃんのことは
忘れていた。


今はどうしているのだろう。


時々故郷に帰っても
マー兄ちゃんのことは
話に聞かなかった。


あの高台でマー兄ちゃんを最後に見て、
数年して、
私も高校を卒業後、
東京へ来た。


私は今も東京に住んでいるが、
マー兄ちゃんはどうしているだろう。


同じ東京の空の下で暮らしてるのだろうか。
もしかして、東京のどこかで
昨日すれ違っているのだろうか。


大人になるっていうことは
こういうことなのだろうと思いながら、
日々暮らしている。


大人になってから
幼馴染や歳の離れた友達のことを思ったり、
会ったりしても、
もうあの頃には戻れないー。
時の流れを感じます。


幼少期から高校卒業まで
何かがあってもなくても、
よく行ったあの高台ー。


私たちの全てを知っているあの高台。
きっと、マー兄ちゃんも、
同級生も、みんな大好きだった
あの故郷の高台、
思い出いっぱいの高台を、
ぜひ訪れてください、、。


そんな内容だった。


火野正平さんの、手紙を読む
落ち着いた声がいつまでも残っている。


あー、みんなそうやって故郷を離れる。


人は変わっても
故郷は変わらずそこにある。





























                         
                                  

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